別府湾を見下ろす花菱ホテル。大浴場(幸の湯…男湯、福の湯…女湯)、展望露天風呂(星の湯…男湯、月の湯…女湯)があるのですが、今回はフロントの若いおじょうさんに言われるまま、6階の幸の湯に浸かってまいりました。
早速、食塩泉で少し緑がかった温泉に浸かります。「あつめ」と「ぬるめ」の浴槽があるのですが、「あつめ」の方もそれほど熱くなく、快適に入れました。浴場には、観光客と思われる方が5、6人いたのですが、皆さん「ぬるめ」の方に入っていたので、一人で「あつめ」を心地よく味わえました。それにしても、浴場内の湯気がすごいですね。マイナスイオンが大量に降り注いでいる感じがします。曇りガラスの向こうには、青空(この日は曇り空)、そして青い別府湾がどーんと一面に広がります。朝、日の出の時間帯なら、また格別でしょうね。次は展望露天風呂の「星の湯」に入りたいものです。
幸の湯を出て6階の廊下を歩いていますと、大きな書がありました。 「山は富士 海は瀬戸内 湯は別府 油屋熊八 翁 詠」 とあります。別府観光の祖、故・油屋熊八が詠んだ、別府のキャッチコピーとでも申しましょうか。温泉は、別府が日本一だよ(別府温泉の温泉湧出量、源泉数は日本一)ということであり、また、富士山→瀬戸内海→別府、という道筋を感じさせますね。別府に住んでいた頃は、温泉があるのが当たり前、と思っていた(そう思っていることすら自覚していなかった)のですが、東京に何年も住んでいると、別府は温泉の街、観光の街、景色が美しい街なんだ、ということに気づかされますね。同時に、例えば鉄道の便の悪さとか、雇用が必ずしも充実していない点だとか、あまり良くない面にも気づかされます。別府に住んでいる間も、こういったことは知識としては分かっていたのですが、別府から離れて、初めて実感できるものですね。油屋熊八は、別府生まれではなく愛媛出身の実業家。別府を客観的に見ることができたからこそ、別府を日本屈指の観光地に育てることができたのかもしれません。少し偉そうに語ってしまいました。
||別府八湯
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