塚原温泉火口乃泉、ネーミングからして「おっ!!」と思ってしまうのですが、とにかく温泉の質が素晴らしすぎます。源泉の泉温は60.6℃、そして驚くなかれpH1.4。秋田の玉川温泉(pH1.2)に匹敵する酸の強さです。鉄イオン(Fe2+、Fe3+)、アルミニウムイオン(Al3+)、硫化水素イオン(HSO4-)や硫酸イオン(SO42-)などが大量に溶け込んでおります。案内板には「塚原温泉 酸性度の高さ 日本第二位 アルミニウムイオンの多さ 日本第二位 鉄イオン含有量の多さ 日本第一位」とあります。これだけでも行く価値あり、身体にものすごく効きそうな感じがいたします。駐車場に県外ナンバーの車が多数停まっているのも納得です。行政区画上は別府市ではなく由布市にあるのですが、由布院温泉とも、そして別府八湯とも違った塚原温泉を、味わってみるといたしましょう。
浴場に潜入。壁が一面赤茶けています。源泉から人が入れる程度に薄めているとは言え、酸がよほど強いのでしょう。というわけで、浴槽は木造で味わい深いものでした。割と狭い浴場に、入浴客は6~7人。かなり混み合っています。
やや黄緑がかった温泉に浸かってみます。色合いだけで言えば、オロナミンCの中に浸かる感じです。入った感触は思ったより普通で、特にピリピリしたりはしませんでした。と、突然年配の入浴客から注意を受けました。 「お兄ちゃん、時計外したほうがいいぞ、腐るぞ」 そうなんです。酸があまりにも強いため、金属製品(時計、指輪、ネックレス、ブレスレット等)の着用は避けたほうが無難なのです。
湯元にコップが置いてあったので、少し温泉を飲んでみました(掲示板には確か飲泉禁止とあったのですが、なぜコップがあるのでしょう…)。味にびっくり。単純に酸っぱいだけじゃない、少ししょっぱく、金属の味そのものです。市販のレモン汁をさらに濃くして、それに少し食塩かスポーツ飲料の素を入れたような味、とでも言いましょうか。体を拭くタオルはあっという間に黄色くなってしまいました。
他の入浴客の方としばし温泉談義。 「こっから上がる時は、よぅ体を吹かんとなぁ、Tシャツとかミカンの汁こぼしたみたいに黄色ぅなってしまうんや」 「ここ石鹸使えんけんのぅ、石鹸使うても泡が立たんで、ドロドロの油みてぇになってしまうんや」 アルカリ性の石鹸が、温泉の強い酸によって中和されてしまう…などなど、この温泉で化学を身をもって勉強できてしまいそうです。
||近くの温泉
奥みょうばん山荘 (明礬温泉) | 2.8km | 地図 | 豊前屋旅館 (明礬温泉) | 2.9km | 地図 | 明礬山の湯 (明礬温泉) | 2.9km | 地図 |
|
|
||似たタイプの温泉
|
||別府八湯
|