鉄輪温泉から少し山手に進み、九州横断道路から細い道を下っていきます。ここは竹の内の住宅街、なのですが、その地名のとおり今も竹林が残り、蝶が舞ったり美しい小鳥がいたりして自然豊かです。5分くらい歩くと、ありました、「おかたの湯」です。こちらの売りはズバリ「家族風呂」。木々の中にたくさんの家族風呂の建物があります。ちなみに電話番号も「夫婦よい風呂」です。
受付でどの風呂にするか、コンピュータの画面で手軽に選べます。価格設定は、広さ、眺め、内湯か露天風呂かなどに応じ、一時間1,300円から2,000円まで。私は一番リーズナブルな1,300円の風呂にしました。ひとりですし… カウンターの上にたくさんの有名人のサインがあったのが印象的でした。(Wエンジン、岩崎朋美さん(大分ローカル番組を中心に活躍するリポーター)などなど)
家族風呂は初めてだったので、システムがいろいろと新鮮でした。まず泉室の表に「入浴中」の札を掛けます。次に内側からカギをかけ、浴槽の底に栓をします。(この浴槽が一人では絶対にもったいないレベルの広さ…) で、受付で手渡されたコインを専用の機械に入れます、すると大量の温泉が凄まじい勢いで一気に浴槽へ。源泉は65℃くらいあり、そのままでは入れないため、同時に水も大量に入れます。ああ、なんて贅沢なのでしょう。3分くらいで私の温泉のできあがり。あとは入るだけ。熱くてもぬるくても、ここでは自己責任です。入れたての温泉なので当然キレイ。ざばーん。
一人というのは、こんなにも気楽なものでしょうか。お湯に浸かり、体が温まったら出て、また浸かり…、ゆっくりと一時間を過ごします。ちなみに一時間を過ぎた場合も、延長料金を払えば引き続き入れます。まるでカラオケボックスのようです。休日はオーダーすれば湯上がりに焼きたてのたこ焼きを食べることもできるらしいです。
隣の泉室から、夫婦でしょうか、話し声がかすかに聞こえてきます(内容までは分かりませんのでご安心を)。夫婦水入らずで過ごすにはぴったりの空間でしょうし、子どもがいたらもっと楽しいことでしょう。もちろん、私のように一人で「自分は何をしているのだろう…」などと人生をのんびり考えるにも絶好の空間です。
ここはとても自然豊かで、網戸の向こうに木々、そして明礬方面の湯けむりが見えます。住宅街にいることを忘れそうです…が、てんてんてまり(毬と殿様)のメロディが流れて我に返りました。(別府にお住まいの方ならお分かりですね、市のゴミ収集のメロディです) さて、そろそろ出ることにしましょう。帰るときは浴槽の栓を抜き、木札を受付に返すのをお忘れなく。
もし「別府八湯温泉道」などの温泉めぐりで、一日に複数の温泉に入る場合、ここは最後か最初にするのが良いと思います。入ってすぐに出るのは実にもったいなく、一時間ゆっくりとお湯に浸かったり、体を洗ったりしながら過ごすのがおすすめです。それにしても、こんな広々とした源泉かけ流しのお風呂が自分の家にもほしいものです。(きっと毎日の掃除は大変なはず...)
||別府八湯
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