「すじ湯温泉」といっても、大分の九重町にある筋湯温泉ではございません。別府の鉄輪温泉にある、熱さが身体の芯までしみわたる温泉です。さあ、中へ入ってみましょうか。
建物に入った途端、生身の女性のヌードが目に飛び込んできました。と言っても、もう還暦は過ぎているであろう、お年を召した方でしたが。慌てて目をそらします。男湯の脱衣所から、女湯は見えないのですが、女湯の脱衣所の腰掛けは見える構造になっているため、腰掛けでくつろいでいた"おじょうさん"が見えてしまったのでした。 「あ~、あちぃなぁ、効くなぁ」 "おじょうさん"はかなり熱そう。私に話しかけているのかと思いきや、男湯にいた旦那さんに話しかけているのでした。旦那さんは一言、 「そうじゃぁのう」 なんとなく、お正月によくテレビで見かける老夫婦の漫才を想わせる光景でした。
すじ湯温泉の入口には、「水が入らないのでシャンプーや石鹸をつかってはいけません」と書いてあります。というわけで、お湯は加水なしの熱湯。浸かるなり、思わず声を上げてしまいそうになりました。これは確かに効きます。効いてほしいです。別府八湯温泉道で、いくつもの温泉をまわってきた体にはなおさら効いてきます。お湯の香りとか、色合いとかあまり覚えていません。とにかく熱かったのと、少し年季の入った浴槽と、老夫婦の会話が醸し出すのどかさが記憶に残っています。
||別府八湯
|