巷では「0円携帯」がもてはやされておりますが、別府にはなんと「0円温泉」が存在するのです。それが、鉄輪温泉にある別府市営の共同温泉、熱の湯です。地元の方だけでなく、別府市内のあちこちからお客さんがやって来ます。私が訪れた日には、駐車場に北九州ナンバーの若者の車が停まっていて、彼らも温泉を楽しんでいましたよ。
「無料 FREE OF CHARGE」と書かれた財布にやさしい看板を目にしつつ、男湯へ。お昼ごはんの時間帯でしたが、入浴客が5~6人はいたでしょうか。しかも、全体的に若い。にぎやかにしゃべっています。「熱の湯」は、お金のやりくりが大変な学生さんにはうってつけの温泉と言えるでしょう。
お湯に浸かります…、おっと、驚きました。「熱の湯」なのに相当ぬるいです。ご家庭のお風呂とほぼ同じくらいの湯温だと思うのですが、別府の温泉の中ではかなりぬるい部類に入ると思います。「熱の湯」は、高血圧の方にも向いている温泉と言えるでしょう。
この「熱の湯」のスタンプは、お隣の旅館入舟荘に置いてあります。ただスタンプをこっそり押して帰るだけというのもなんなので、熱の湯のご主人としばし会話。 「熱の湯に行ってきました」 「そうですか、あそこは元々熱いんですけど、加水して入りやすくなってますよ」 「今、鉄輪温泉をまわっているところです」 「まあ鉄輪も昔ほどはにぎわってないですね、今は安・近・短の時代ですからねぇ。湯めぐりがんばってください」 昔の鉄輪温泉を、私は知りません。ただ、今の鉄輪温泉には、時代の移り変わりを感じさせないのどかな雰囲気が漂っていました。
||別府八湯
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