年季の入った看板、「泥湯 出入口」とあるのですが、入ってみてびっくり、食料品店でした。駄菓子や佃煮などが売られています。入る場所を間違えてしまったのでしょうか…もちろんそんなことはありません。店内の左側に小さな扉があり、そこから温泉に行けるのです。泥湯に入るということで、250円を払い(そうすれば普通湯にも入れる)、扉を開きます。
扉に近い順に、女湯、男湯、泥湯と並んでいますが、それにしても通路が狭い!! しかも、男湯には脱衣所がなく、なんと脱いだ服は通路に置いてあるカゴに入れるのです。そのカゴのために、通路がさらに狭く感じられます。泥湯の入り方を店の"おじょうさん"から教わり、まずは泥湯に入湯。
泥湯、というと、文字通りドロドロしたものをイメージしがちなのですが、神丘温泉の泥湯はサラサラ、全く泥っぽさがありません。甘くなく生暖かいヤクルトの中に浸かるイメージです。3分ほど浸かり、しばらく休み、また3分ほど浸かり…これを3回繰り返します。途中、いきなり泥湯の扉が開き、俳優の船越英一郎さんに似た方が入ってきて、私がデジカメを持っているのを見て、 「泥湯に入っているところを写真に撮りましょうか?」 と言ってくださったのですが、丁重にお断りしました。それにしてもあの方、どこかで見た覚えが…。
続いて普通湯に。こちらは、狭い浴場内に地域の方が5人ほど入っていて、かなり混雑していました。何やら、選挙の話や、火事の話や、相撲の話などで盛り上がっています。相撲の話では、地元・大分出身の力士、千代大海の話題が延々と続いていました。どうやら皆さんには「定位置」があるらしく、それを崩してしまった私は浴場の中でかなり浮いてしまいました。共同湯、それぞれに作法があるのです。
帰りがけ、泥湯と同じ色をしたヤクルトが飲みたくなり、食料品店で買おうとしたのですが、ありませんでした。同じ色の森永マミーがあったので、それを購入、その場で飲んで 「泥湯、この色でしたよ」 と言うと、店の"おじょうさん"は少しだけ笑っていました。
||別府八湯
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