フロントに入り、「入浴です」と告げると、フロントの若い男性が、室内案内図を片手に、熱のこもった館内説明をしてくださいました。隣のテレビで流れているNHK教育の『おじゃる丸』と真逆の雰囲気です。 「今いるところが南館の1階ですね、温泉は東館にあり、3階の渡り廊下でつながっています。ですから、まずそこのエレベーターで3階に上がっていただいて、通路をまっすぐ進んでください。後は、館内案内に従ってください。露天風呂は東館の屋上です」 さすが巨大ホテル、建物が複数あり、夕方のチェックインの時間と重なって、団体旅行客が次々とフロントで受付をすませています。
フロントの指示通り、まずはエレベーターで3階へ。少し不思議な動きをするエレベーターで、停まる時には「チーン」と音が鳴ります。まるで昭和30~40年代のエレベーターです。3階の通路を少し歩くと、各温泉ごとに矢印で案内が。岩風呂、豊後の湯、露天風呂に貸切風呂…。巨大ホテルには大浴場もたくさんあります。まずは、階段を降りて2階の岩風呂へ行くとしましょう。
チェックインの時間帯と重なり、入浴客が多い、多い。脱衣場はコインロッカー付きなので安心です。岩風呂は透明感があり、もちろん黄昏時の別府湾を一望できてなかなかです。
続いて、屋上露天風呂へ。東館のエレベーターに乗ります…乗れません。すぐに扉が閉まってしまい、置いていかれました。次に停まった時に乗り込み、屋上へ。おっと、7階で停まりました、お客が乗ろうとします…乗れません。エレベーターの動きが少し不思議なので、タイミングがずれてしまうのです。宿泊客で混雑するエレベーターが、8階の露天風呂前で停まりました。「やっと来たの?」という声がエレベーター前からしました。8階で降りられず、また下の階に戻ってしまった人もいたのです。このエレベーター、味があって私は好きです。
で、肝心の露天風呂なのですが、湯船に人が多すぎて-10人くらいいたでしょうか-、浴場内にも人が多すぎたため、一旦服は脱いだものの、入れませんでした。社員旅行客のようで、自分だけ浮いてしまっていましたし。今度帰省した時は、早い時間帯、そうですね、14:00ぐらいに、ゆったりと別府湾を堪能しようと思います。
高度成長期の別府は、社員旅行や修学旅行など、団体旅行客で非常ににぎわいました。団体から個へとニーズが移り、多くのホテルは個人向けにシフトしていったようなのですが、ホテル清風は以前のまま、団体向けを貫いているようで、多くの宿泊客でにぎわっています。私が訪れた日は、公務員の団体さんが複数宿泊しているようでした。別府生まれの私としましては、やはりお客さん、特に宿泊客が多いのはとてもうれしいですね。
||別府八湯
|