「国家公務員共済組合連合会別府保養所」というわけで、日本語の読みを略して「KKR」です。もちろん、国家公務員でなくても温泉に入れますし、宿泊も可能です。私のような庶民でも温泉に入れます。とは言え、さすが「KKR」。ゲームコーナーなど、チャラチャラした雰囲気のものは一切ありません。そもそも、宿の名前が立派ですよね。「翠山荘」。単なる「緑(みどり)」ではなく「翠」という字を使うあたり、格調高い感じがいたします。
ロビーでは、タレントの乙葉さんに似た女性(私の「○○に似ている」は他の人と感覚がズレているらしいのですが…)が応対。接客が非常に丁寧で、温泉の入湯記念スタンプを公文書のようにきちんと押してくださいました。
温泉は、やや白めのにごり湯です。観海寺の高台で湧き出る温泉とは泉質が違うようです。湯の香りはほとんどありませんでした。
浴場には先客が1名。50代くらいの方で、温泉から上がるところでした。デジカメを持っている私を不審に思ったらしく(まあ、そりゃあ不審に思われるでしょう)、質問されてしまいました。 「あんた、それ仕事かね?」 「いえ、本職ではないんですけれども(ちなみに本業はSE、プログラマです)、私は別府生まれで、別府の発展を願っておりまして…」 客観的に見たらわざとらしくウソっぽい回答ですが、本心なので照れずに答えました。 「そうかい、むか~し別府に修学旅行に来たんだけど、今はその頃と全然違うねぇ。にぎわいがないねぇ。びっくりした」 そして帰り際に、 「まぁ、がんばってください」 昭和58年生まれの私は、昭和30~40年代、高度成長期の、団体旅行客が大勢押し寄せた頃の別府を知りません。団体旅行から個人旅行へと流行が変わり、別府はその流行に取り残されてしまったかのようです。それでも、別府には日本一の温泉があります。まだまだ、発展の可能性は湧き出すはずなのです。今後の別府に期待するとともに、今の別府の温泉の姿をWebできちんと伝えよう!! と改めて思うのでした。
||別府八湯
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