ホテル雄飛には、「ホテル雄飛」と書かれた看板と、「御食事処 とよ常」と書かれた看板があります。洋風のホテルというよりは、いかにも和風の割烹旅館といったたたずまいの玄関の引戸をガララララと開けると、女将さん(仲居さん?)が出迎えてくださいました。 「お風呂に入りたいんですけれども」 「いいですよ。(後ろを向いて、かなりスローテンポで)た~ちば~なさ~~~ん、おきゃ~くさ~んで~すよっ♪」 仲居さんに歌うように呼びかけていました。個人的にあまりにも面白かったので実名を出します。いや~、平成のスピーディーな世の中で、ゆっくりと時間が流れる空間、肩の力が抜けていいですねぇ。「たちばなさん」に案内されるまま、割烹料理屋「とよ常」となっている1階を抜け、エレベーターで大浴場のある6階へと向かいます。
まずは展望大浴場へ。外の景色が見えるのですが、立地の都合上、男湯からは国道10号線を行き交う車しか見えません。五角形の檜風呂に浸かります。あ~、程よい温度で、透き通る湯で、実に落ち着きますねえ。7、8分は浸かっていたい!! そんな温泉です。次は露天風呂へ。こちらも、展望はあまり期待できないんですけれども、浴槽の石組み、すだれ、カエデの植え込み、ここだけ平成の世の中から切り離されたようなスローな時間が流れています。お湯に浸かると、まだ青いカエデの葉が目に飛び込んできました。これが11月になれば、真っ赤に染まり、入浴客の目を楽しませるんでしょうなぁ。露天風呂に浸かり、割烹の旨い料理に舌鼓を打ち、若者向けではないですが素晴らしい和の競演ですね。
||別府八湯
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